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主治医との結婚生活

第7章 奏真の話

「諦めない」と言った明花ちゃんは、
その後 僕が好きだと周りに言いふらした。
包囲網作戦 だった!

仕事の覚えが早く、いつも熱心で、
裏表のない 明るい明花ちゃんは 
スタッフ、患者さん、その家族にまで
信頼されていたから
明花ちゃんへの応援は多くて…

包囲網作戦は  確かに 反響という
効果があって…
少々 僕を 困らせた。


一方で…
曲がった事が嫌いで、納得出来ないと先輩でも
ドクターでも喰ってかかる勇ましい明花ちゃんを
快く思っていないスタッフもいて…

「玉の輿でも狙ってるんじゃないですか?
ハニートラップ? 気をつけてくださいね? 」
なんて 言われて 同情されもした。


包囲網作戦の評価は 二極化した。


でも僕も… 
仕事面に関しては 
普通に 明花ちゃんを信用していた。

すごく 努力家だと思ったし 一生懸命だから、
つい 助言やアドバイスをしたくなって 
自分から声をかける事も多かった。

明花ちゃんも、そこに私情を挟んで来ることは
無かった。

でも ふっと 「惚れました?」とか
「いつになったら 好きになってくれますか?」とか 
油断している時に ちょこちょこ入り込んでくる。

あの 大きな瞳で…

そのバランスは 控えめ なのに
タイミングが絶妙で…

くら…っ と 何度も 気持ちを揺さぶられた。



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