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小説以外のひとりごと

第45章 とつぜんですが

2024.05.17 金曜日


入院患者の入浴時間は個々に決められています


ボクの場合もベッド近くに吊るしてあるボードに記載があります


▲曜日と■曜日

▲:00〜▲:30


といった具合い




時間になったら奥のほうにある入浴室へ向かいます



以前の急性病棟のときは当日に言われるのでバタバタしますが、

リハビリ病棟はこうやってあらかじめ時間がわかっているので準備がしやすい


でも状況は常に変わるもので、

入浴出来なくなった人が出たり、

逆に入浴が挟みこまれてズレていくときもあります




先週はまだ30分以上あるなぁ、とのんびり構えていたら「もう入れますけど?いけますかぁ?」と言われた



今回も早めに準備しておいたけど、呼ばれなかったので30分自分のベッドで待機


10分前、様子を見に手ぶらで廊下を散歩ついでに近くを歩く

スタッフさん2人が廊下で待機していたので、まだの様子


部屋に戻ってスマホをいぢる


5分前でも呼ばれない


ジャスト時間になったから、着替えとタオルを持って浴室に向かう



廊下にスタッフさんも居ないし、

掃除してる音もしない




すっと中に入ったら、

おばあちゃんが一人でじぃっと静かに座ってた


服は着てました


頭を下げて、慌てて自分の病室に戻る



すると看護師さんがやって来て、

時間だよ、と言われるが


まだ、誰かいらっしゃいましたよ?

と伝え、二人で浴室に向かう


ちょうどそのタイミングでいつも廊下で待機しているスタッフさんがおばあちゃんを支えて出てきました



はい、いってらっしゃい!


と言われたけど、はいいってらっしゃいじゃねーよ!

もうちょっとでおばあちゃんの裸と遭遇するところでした

病院の浴室にはかなりしっかりした介護用のイスが置いてあって、倒れるような重さじゃない


でも、さっきまであのおばあちゃんが座ってたのかと思うと使う気になれず、立ったまま身体を洗ったりシャンプーしたりしてました


別に共有のモノを使うことは抵抗ないし、潔癖症でも無いから全然使えるんだけど、

相手の姿を見ちゃうとなかなか意識してしまって使えなくなります


これは若い女の人だったとしても、ボクは使えないな

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