
気持ちのいい恋
第3章 心地いい場所
「――――あ・・・いた?!」
「すみません・・・開店は夕方から・・・って!春斗さん?」
店に行くと――――・・・案の定驚いた顔を見せるリクに笑ってしまう
「珍しいですね、こんな時間帯に来るなんて――――・・・どうぞ」
店の仕込みで来ていたのか・・・店の中ではリクが何やら準備をしていた
カウンター席を案内されると「珈琲飲みません?」と、さりげなく聞かれ首肯く
珈琲のほろ苦い香りに目を閉じてみる
あぁ・・・落ち着く
「良い香り――――・・・さっき、ブランチをカフェで食べたんだけど・・・何だかイマイチで・・・」
「ブランチを?それなら、ここで食べれば良かったのに」
珈琲が目の前に出されると・・・苦味と旨味のバランスの良い香りに深呼吸を大きくしてしまう・・・
「ここでって――――・・・開店は夕方じゃん?ブランチ出せないじゃん?」
「春斗さんが食べに来るのなら・・・特別に開けときますよ?」
