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雨とピアノとノクターン

第1章 出会い編:金髪の野良猫

ところが、僕の予想と比べ、現実は裏腹だった。つけたままのテレビ画面の砂嵐映像に気付き、慌てて僕が目覚めたときでさえ、彼はまだ眠りこけていた。思わず軽く溜息が出てしまう。
 
 そろそろ…彼を無理矢理起こし、状況を把握してもらうべきではないか?
 いきなりこんなところへ来たことを、彼はどんな風に思うだろうか?

 僕はその金髪アタマを少し揺らしてやった。
「…君、大丈夫かい?そろそろ起きたほうがいい…」
 相変わらず、傍若無人な荒い寝息を立てたまま、彼は床に転がっている。
ほっておけなくて連れ込んだ僕も悪いが、それにしてもこの図太さは如何なものだろう?
 
 ちょっと荒っぽいけれど、手加減無用だな。
 
 僕は彼の耳をつまんで引っ張り上げた。
「…僕は起きろと言ってるんだよ」
「……んだよ…あァ?………あれっ!?」
 ようやく彼は重い瞼を開き、びっくりした様子で辺りを見回した。
「……ココ?どこだよ?それに…てめー、誰だよ?」

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