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母子家庭

第6章 本能ということ

夕方5時過ぎ、食事の支度をしていると優が帰って来た。

私が振り向いて、

「お帰り!」

と言うと、優は私を少しの間見たあと、

「た、ただいま!」

と言い、2階に上がって行った。

そしていつもは、こちらから呼ばないと下に降りて来ないのに、今日は呼ばなくても自分から降りてきて、今は席に座っている。

私が後ろを向いたままキッチンで料理をしていると、優が、

「お母さん!今日どうしたの?なんかいつもと違うけど…。」

と言った。私は、

「そう?今日、美容院に行ったからかな?」

と言い、出来た料理を持ってテーブルに行くと、前かがみになりテーブルに料理を並べた。

すると、優の落ち着きがなくなったように見えた。たぶん胸が見えたのだ。もちろんTシャツの下にはブラは着けているが、谷間くらいは見えたのではないかと思う。

優は落ち着きなく、視線を私から外らして、

「食べても良いかな〜?」

と言った。私は、

「良いよ!」

と言うと、優は、

「お母さん!今日も飲みなよ!僕に遠慮しないで…。」

と言った。私は、

「いつも遠慮なんてしてないわよ!今日は暑かったからビール飲もうかな?」

と言って、冷蔵庫からビールを出すと、席に着いてビールを開けた。



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