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母子家庭

第6章 本能ということ

あっという間にビールは一本空になった。その様子を見て、優が立ち上がると、

「2本目飲むでしょ?」

と、冷蔵庫に向かった。私は、

「気が利くじゃない!お小遣いでも欲しいのかな?」

と言った。優は、

「そんなんじゃないよ!はい!」

と言って、私にビールを渡すが、視線は胸にいっているのが分かる。

私は、ビールのフタを開けると、2本目のビールを飲んだ。

「最近ダメね〜。まだ2本目なのにもう酔って来ちゃったみたい!」

といって、少し前屈みになり視線を別の方に外らせて、また一口ビールを飲んだ。

優は、食事をしながらたぶん私の胸を見ている筈だった。

優は、さっさと食事を済ますと、

「お母さん!もう1本どう?」

と聞いた。私は、

「あと、1本飲んで止めよう!あと1本ちょうだい!」

と言った。そして、優がビールをもってくると、私は、

「ねぇ〜、優〜!お母さん疲れちゃって、悪いけど肩揉んでくれないかな〜?」

と言った。

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