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母子家庭

第2章 飲んで帰宅

そんなある日、早出のシフトだった私は、16時には仕事が終わり、同じ早出仲間と明るい時間から居酒屋へ繰り出し、家に帰ったのは22時過ぎだった。

流石に、居酒屋3軒はしごして、ビールに日本酒に焼酎を飲むと、結構なふらつき加減で、言葉も呂律が回らない。

アパートに帰ると、玄関で動けなくなってしまった。

「たらりま〜!」

玄関で声を上げて、へたり込むと優が駆け寄ってきて、

「あーあ!大丈夫?」

と、いつものように、あまり感情の入らない言い方で、話すが一応私を心配しているようだ。

「らいじょうぶでふ!」

と呂律の回らない口調で言うと、優は、

「部屋へ行った方が良いよ!」

と言った。私は、

「ここが部屋ではないか!ここで寝まするる!」

と言うと、優は、

「こんな所で寝たら痛いと思うよ!布団で寝なよ!」

と言って、私を抱えて起こそうと、脇に手を入れ、力ずくで持ち上げた。中学2年とはいえ、流石は男の子だ!細身ではあるが、それでもそれなりに体重のある大人の女性を引きずり上げた。

私は、酔ってヘベレケになってはいたが、体の多少の感覚は、麻痺していないことを確信していた。何故そのような感想を持ったかというと、私の体を脇から手を入れて引きずり上げた際、優の両手は、私の両胸をしっかり掴んでいたからである。

私は、偶然だろうか?見た感じ、女にあまり興味ないように見えるこの子が、わざと胸を掴んでいるとは考えにくい。

私は、優に両胸を掴まれたまま、気付かないふりをして、

「悪いわね〜!」

と言った。酔っ払って呂律は回らないが、何とか立ってはいられそうだ。胸を掴んで支えられていれば…。

優は、

「お母さん、立ってられる?」

と私に聞きながら、少し胸を揉むように手を動かしているようだった。おそらく、偶然ではなく、わざとやっているのだと感じた。

優は、優しいが、わりと感情を表に出さないので、気にしていなかったが、やっぱり男の子なのだ。女に興味があるんだと思った。母親の私にも、女としての興味が…。

私は、優に軽く胸を揉まれながらも、気付かないふりをした。酔ってはいたが、この対応は難しいと思った。そして、

「お部屋へ…、お願いして良い…?」

と言った。



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