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母子家庭

第3章 夜這

次の日の朝、私は夜勤なのでゆっくりと遅くまで寝ていた。

起きたのは、10時頃だ。

目が覚めると、頭が痛い。やはり、飲み過ぎたみたいだ。

体を起こして、ベッドを出て立ち上がってみると、体に違和感があった。

まず、ジーンズのベルトが緩んでいる。そして、ブラが上にズレTシャツの下で、胸が出ている状態である。ジーンズを少し下げて見ると、パンツも微妙に下っている。

どういうことか、暫く分からなかったが、誰かに触られたようだということは分かる。しかし、男を自宅に連れ帰ったということはあり得ない。何故なら昨日は、男と飲んではいないから。だとすると…。

昨晩の記憶を思い出そうとするが何となくしか覚えてない。そういえば、優に触られたような気がする。何となくそんな気もするが、今まで夢だったと思っていた。

しかし、この現状を見ると夢ではないようだ。私が寝ている間に、優が私の体を触ったのだと思う。

今まで、全くそういう目で息子を見たことがなかったし、素振りもなかったので、にわかには信じられないが、息子は、私に女として興味を持っているようだった。そういえば、昨日、酔っ払ってはいたが、そんな感覚を感じたことを思い出した。

優は、今、学校に行っている時間で、家にはいない。それが、私にとっては救いだった。今、この現実を知ったばかりで、優に対しては、普通に接することが出来ない。

今日は、私は夜勤で午後3時半に家を出る。優が帰るのは午後5時頃だ。今日は、会わずに済む。優に会うのは、明日の夜になるはずだ。

「どうしたものか…。それまでには、気持ちを落ち着けて、普通に対応しなければならない。母一人子一人で、気まずい雰囲気では、生活してはいけない。」

と思った。

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