
碧と朝陽
第20章 過去「碧と郁人の過去です」
中学3年生のある日、それは変わってしまった。
第二の性の目覚めである。
俺はSubだった。
両親は戸惑っていたが俺の性別を一生懸命受け入れようとしてくれた。俺が健康でいられるように病院に連れて行き、懸命にケアをしてくれていたと思う。
その後で、郁人がDomだってことがわかった。
母親はそれを知った時、「郁人くんとパートナーになればいいじゃない!」と言った。
当時、それを聞いてとても困惑したのを覚えている。親友とパートナーになるなんて考えられるか?
いくら親友でも第二の性を、自分の性的趣向を晒すことには抵抗がある。
だけど、母親はパートナーを作ることが1番安定することを知っていて、良かれと思ってそう言ったんだろう。
中3の俺は何も言えなかった。
郁人もそれは同じだったようで、郁人の部屋で2人きりで会うことになった。最初はお互い遠慮気味だった。
「お前、Subなんだな」
「うん」
「俺たち、パートナーになった方がいいって」
「………うん」
郁人の部屋でそう言葉を交わしたことを覚えている。
一度、試しにプレイをしてみることになった。
それが良くなかったんだろう。
「kneel(座れ)」
そう郁人が発した言葉を聞いて俺は腰が抜けて驚いた。
言うことを聞かずにはいられなかった。
これがSub。
改めて屈辱的な気持ちになると同時に、興奮している自分もいておかしくなりそうだった。
跪く俺を見て、郁人があの時どう感じたかはわからない。
ただあの後は、ものすごく乱暴にされた。
必要に殴られ、聞きたくない命令を聞かされた。いろんなことを言った。恥ずかしいことも。
あれから郁人は変わってしまった。
未熟なDomとSubが、あんな形でプレイをしてしまったのがいけなかった。
よくプレイについて学ぶ必要があったし、未成年のうちに経験していい刺激ではなかった。
俺は郁人と離れた後、心身ともにぼろぼろの中Sub支援センターに駆け込んだ。
そこでは、プレイに必要な「セーフワード」についてや、Sub・Domの性質についてなど詳しく教えてくれた。今の俺には何が必要なのかも知ることができた。
早くここに来れば良かったと後悔し、郁人は大丈夫かと、ふと心配になった。
その時はすでに連絡を取る手段もなく、会わないようにしていたため、俺にはどうすることもできなかった。
第二の性の目覚めである。
俺はSubだった。
両親は戸惑っていたが俺の性別を一生懸命受け入れようとしてくれた。俺が健康でいられるように病院に連れて行き、懸命にケアをしてくれていたと思う。
その後で、郁人がDomだってことがわかった。
母親はそれを知った時、「郁人くんとパートナーになればいいじゃない!」と言った。
当時、それを聞いてとても困惑したのを覚えている。親友とパートナーになるなんて考えられるか?
いくら親友でも第二の性を、自分の性的趣向を晒すことには抵抗がある。
だけど、母親はパートナーを作ることが1番安定することを知っていて、良かれと思ってそう言ったんだろう。
中3の俺は何も言えなかった。
郁人もそれは同じだったようで、郁人の部屋で2人きりで会うことになった。最初はお互い遠慮気味だった。
「お前、Subなんだな」
「うん」
「俺たち、パートナーになった方がいいって」
「………うん」
郁人の部屋でそう言葉を交わしたことを覚えている。
一度、試しにプレイをしてみることになった。
それが良くなかったんだろう。
「kneel(座れ)」
そう郁人が発した言葉を聞いて俺は腰が抜けて驚いた。
言うことを聞かずにはいられなかった。
これがSub。
改めて屈辱的な気持ちになると同時に、興奮している自分もいておかしくなりそうだった。
跪く俺を見て、郁人があの時どう感じたかはわからない。
ただあの後は、ものすごく乱暴にされた。
必要に殴られ、聞きたくない命令を聞かされた。いろんなことを言った。恥ずかしいことも。
あれから郁人は変わってしまった。
未熟なDomとSubが、あんな形でプレイをしてしまったのがいけなかった。
よくプレイについて学ぶ必要があったし、未成年のうちに経験していい刺激ではなかった。
俺は郁人と離れた後、心身ともにぼろぼろの中Sub支援センターに駆け込んだ。
そこでは、プレイに必要な「セーフワード」についてや、Sub・Domの性質についてなど詳しく教えてくれた。今の俺には何が必要なのかも知ることができた。
早くここに来れば良かったと後悔し、郁人は大丈夫かと、ふと心配になった。
その時はすでに連絡を取る手段もなく、会わないようにしていたため、俺にはどうすることもできなかった。
