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――1時間後

休憩から戻ってみると、レジがお客さんで溢れ返っていたので慌てて子機のレジも開いて対応に入った。


「ひなちゃん、ちゃんと休めた？」

「はい、お陰さまで回復しました！
さぁがんばりますよー！」


一週間の中で一番忙しい土曜日の夜ピーク。

大家族で囲って食べる晩ごはんのおかずとして大量買いする人や、こってりお肉系ばかりを選ぶガテン系のおじ…お兄さん。
カラフルな野菜や見た目の鮮やかな映える（？）おかずをチョイスしてくれるマダムなど、いろんなお客さんが来てくれる。

リンゴ入りは失敗したけれど、新登場の春雨サラダは今日もいろんな人が買ってくれた。
久保店長、私やりましたよー！！






「ありがとうございまーす！
またお越しくださいませーっ」



忙しいのは大変だけど、時間は早く過ぎるから嬉しかったりする。
そんな怒涛の夜ピークも過ぎ、さすがにお客さんもピタッと止まって、いよいよ閉店5分前となった。

今日はそんな土曜日と思って、いつもより多めに用意していたから揚げが陳列棚にまだ10個もある。

今日は久保店長もいないし、掃除や片付けを終えたパートさんたちも帰って、今は私ひとりだけ。

ラストのスタッフは残ったお惣菜をもらって帰ってるんだけど、もしかして私ひとりがあのから揚げを……？