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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第2章 旧市街地の戦い


ラーズが頭上を見上げると3機編隊の航空機が地上スレスレに滑空していった


いや、航空機ではない

航空機のような三角の羽根を広げてはいるが先端が異なる


人の上半身を模した形


しかしモビルスーツでもない


モビルスーツの上半身に航空機を融合させたようなマシーン“フリューゲル”シリーズだ


「セントリックス軍だッ!お前たち、早くバスに戻れ!移動するぞッ!」


ラーズのモビルスーツの周りに集まっていた子どもたちがわらわらと戻ってきた


ひとりをのぞいて


「あいつ、何やってんだッ!?」


ラーズは皆がバスに乗り込んだのを確認すると一度バックさせ方向転換しようとする


ちょうど目の前にラーズのモビルスーツジムⅢが位置する


するとひとり残っていた金髪の少女がオートワイヤーを触り、すぅっとコックピットハッチまで上がってしまった



「あのバカ!何やってんだッ!?」


だがバスに乗り込んだ子どもたちが運転席の周りに集まりラーズに指示してきたのだ


「ラーズ、バスを出せ!わたしたちのひとりが援護する!」


「はっ?」


すると視線の先のジムⅢのコックピットハッチが閉じて、ジムⅢは立ち上がりラーズたちのバスに背を向けた


機体の外部スピーカーが響く


「早く行けッ!狙われるぞッ!」


少女の言葉通り、引き返してきた3機編成のフリューゲルシリーズが攻撃を仕掛けてきた


ビームライフル!


ジムⅢとバスには当たらなかったものの後続のフリューゲルが迫って来るのが見えた



ジムⅢは少し腰を落とし、ビームライフルを放った!



「!」


ドォォォッッッ!!


一機のフリューゲルが火を噴いた!



「あ、あの子供が動かしているのか…??」


ラーズはわけがわからないが今のうちにバスを発進させるしかなかった



「掴まれ!ベルトが出来るならベルトを締めろ!けが人にも締めてやれ!」



バスは瓦礫を避けながら走り始めた



それを見届けたジムⅢは一度建物の陰に隠れると3機目のフリューゲルに狙いを定めた


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