
クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第14章 ムーンブレイドVSゾーナタ
海岸沿いの切り立った崖に青いモビルスーツがそびえ立っていた
連邦軍アルメニア部隊のジムⅢだ
かろうじて生き残ったパイロット、ブルース・ブルースは遠方で空爆を受けている仇敵ムーンブレイドを見据えていた
「あれは連邦空軍のフリューゲル部隊だな、いったいどこの部隊なんだろう?
まるで始めからアイツの頑丈さを知っていたかのような攻撃だ
俺たちアルメニア軍以外にもアイツの情報を捉えていたんだろうな……」
ブルースは現場で戦っている兵士は何も知らされず死地に立たされていて、別のどこかでは先に情報を知っているものがおり何とも報われない気がした
「やれやれ、本当に我が連邦軍の上層部は腐ってやがるぜ、あんなバケモノと面と向かって戦うには前もってそれなりの準備が必要ってもんだ!
それに引き換えあの連邦空軍のほうは始めからわかっていてアレだけの攻撃を仕掛けてる
同じ連邦軍でも上が違うとこうも戦い方が違うかね」
あまりに無力なブルースは自分にも前もって情報と準備が与えられていたらもっと違った戦いが出来、かつての同僚であるマリナも死なずに済んだのにな、と考えていた
いまブルースの機体の周りにはかろうじて生き残った戦車部隊やモビルスーツが数機のみとなり、とても遠くの戦地へ加われるほどの兵力は無いのだ
彼らには遠くの戦いを見守ることしか出来ない
まさかブルースもあの巨大兵器の中にマリナが生き延びて捕らえられているとは想像も出来ないだろう
もしブルースがそれを知ってしまえば無力ながらも戦地へ駆けつけてしまっていたかもしれない
知らないがゆえに彼は生き残ることが出来たのかもしれない
数年前のアララト山といい、今回のアゼルバイジャンからトルコへの追撃戦といい、ブルースは敗戦が続きながらまた生き残るのだ
兵士としてこれほど無力に感じることが他にあるだろうか
ブルースにはもう気力が萎えかけいたのだった

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