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第2章 【第一章】彼女

 その時、廊下の曲がり角から人影が現れた。それは、美里だった。


「美里……!」

「颯介っ……」


 僕と目が合うと、美里はフイッと目を反らした。僕は逃げようとする美里の腕をとっさに掴んだ。


「待ってくれ、美里! さっきは……ごめん!」

「……っ……」

「キスしたあと、吐いてしまったのには理由があるんだ」

「……どういうこと?」


 美里は僕の方に振り返る。


「さっきトイレで美里と会う前、医務室で怪しい男を見たんだ」

「……怪しい男?」


 美里はキョトンとしている。
 その様子だと、おっさんとは会っていないようだ。



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