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第2章 【第一章】彼女

「……んっ……んんっ……」


 二人の濃厚なキスは何分も続いた。


「……もういい」


 驚きは怒りに変わり、そして無になった。僕は踵を返して、その場から立ち去った。


 建物の外に出ると、家族連れやカップルが楽しそうに歩いていた。園内のスタッフも何事もなかったように普通に仕事をしている。


 どうやら僕一人だけが、騙されていたようだ。そして現実から突き落とされた。


「なんでっ……。一体、僕が何をしたって言うんだよ!」


 僕は車に乗り込むと、ハンドルを叩いた。


 隣にはもう、僕の愛した彼女はいない。彼女は他の男の物になった。そして僕は彼女に騙された。



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