テキストサイズ

どうして僕たちが…

第6章 真相

相沢side

3日後
柊一くんの怪我は大したことは無かったが、大事をとって数日入院することになった。
本当は水沢さんや美奈ちゃんが行くべきなのかもしれないが、今日のこの時間に予定が無かったのが私だけだった。
ナースステーションで病室を聞き、その病室の前に立つ。
角部屋の個室。

「ノックの回数…3回だっけ?」

前に教えてもらった記憶を頼りに3回ノックした。

「はい。」

いつもより大人びた柊一くんの声。
私が引戸を開けると柊一くんがホッとした表情をした。

「相沢さん。」

柊一くんは本を読んでいたらしい。

「調子、どう?」

「うん。悪くない。」

顔色も悪くなさそうだ。
撃たれた直後は出血が多く、顔色も悪かったが幸い弾は貫通していたし、内臓の損傷なども無かったという。

「コレ、差し入れだって。」

純くん、美奈ちゃん、水沢さん、如月くんが柊一くんにと食べやすいゼリーをお金の出し合いで買って私に持たせてくれたものを出す。
私は花束を買ってきた。
病室が華やかになっていいかな。
因みにガーベラ。花言葉は「希望」。
明るいし、花言葉も素敵だったから。
花瓶に花を生けながら柊一くんを見ると嬉しそうな顔をしてゼリーの入った袋を覗いていた。

「相沢さん、一緒に食べる?」

そう言って柊一くんはグレープゼリー、私は苺のゼリーをいただく。

「それで相沢さん、事件の真相を話に来てくれたんだよね。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ