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ミニチュア・ガーデン

第5章 縋るもの

 ラークに対する取り調べは続いたが、対話可能な時間があまりに短く、喋ったとしても途切れ途切れで抽象的か、具体的過ぎる事ばかりで、一向に何も解らなかった。
 ガルクはその間、ずっと彼の傍にいた。彼はそのうちにガルクを認識する様になったが、認識以上の反応はなく、信頼や安心などを感じる事はなかった。
 ガルクは周囲の有機物ロボットの記憶を操作し、ほぼ自由な出入りをするようになった。彼のそばに来てからはクウラの元に戻らなかった。そんなものは気にも止めず、彼から反応が欲しくて、それだけだった。
「死にたい。殺して。死にたい。殺して……」
 彼はボソボソと繰り返す。哀願の言葉を。
 だが、ガルクは無視をした。
「ラーク、一緒に生きよう。お願いだ」
 そう、哀願の言葉を返した。
 彼を抱き、拒否する食事を与え、愛を囁きながら。
「殺して。死にたい。殺して。死にたい……」
 彼の答えは変わらない。絶望から来る哀願。

 それも慣れて来ると、ガルクは苦痛を感じなくなっていた。単なる効果音の一つにしか感じなくなり、やがて自分の行為に酔っている自分が居ると気づきだした。それでも、止められなかった。

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