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終焉のアルファベット

第3章 忌避される才能

ヴィンチェンツォの創作活動は、無数の心から賛美の声を受け取りつつ、全ての人々の心を柔らかく解きほぐすには至りませんでした。彼の作品の独特の魅力と先進的な視点は、同時に、一部の者たちからは嵐のような批判の嵐を呼び込む原因ともなったのです。保守的な人々、あるいは、変わることへの恐怖に囚われた人々から見れば、彼の文字デザインは聖域である伝統を無慈悲に引き裂くものであり、その斬新さは単なる不適切な挑戦に過ぎないと認識されました。その結果、ヴィンチェンツォの方向性に対する厳しい非難の声が、次々と投げかけられることとなったのです。

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