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【参加型小説】尾仁牙島

第3章 自己紹介タイム

「え〜では、最後の方、お願いします!」


 武藤はユウと千代の間の席に座っている女に声をかけた。女は無言のまま立ち上がると、何故か勇治の元へと歩き始めた。


「え? どうしたんですか?」


 武藤は巫女装束を身に纏っている女に声をかける。が、女は無視し、勇治の左肩をいきなり掴んだ。


「は? なんだよ、お前っ……」

「もう限界ですよね? 大丈夫、私が楽にしてさしあげます」


 そう言うと女は右手の人差し指と中指を揃え立てて、目を閉じながら何かブツブツとお経のようなものを唱え始めた。そしてカッと目を見開くと「悪霊退散っ!」と叫んだ。


「うわあっ!」


 その声にびっくりしたのか、勇治は悲鳴をあげる。しかし、さっきまで重かった左肩は急に軽くなり、吐きそうになるほどの気持ち悪さもなくなっていた。


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