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【参加型小説】尾仁牙島

第4章 ゲーム① バスの席

「あれ?」


 ふと武藤が一番前の席に座る、ユウとめきゆに視線を移した。めきゆはサービスエリアで買った食べ物をひたすら食べ、ユウは腕を組んで眠っていた。ユウの足元にはジュラルミンアタッシュケースがある。


 どうやらユウはめきゆの食事が終わるのを待っていたらしい。めきゆの食事が終わると同時に、ユウが目を覚ました。


「お待たせ、ユウさん」

「よく食べますね。美味しかったですか?」

「まぁまぁね。で、私と何を話したいのかしら?」

「良かったら、僕の手も見てもらえますか?」

「いいわよ」


 めきゆはユウの手を取って、掌をジッと見た。


「う〜ん……」

「どうしました?」

「おかしいわね……こんな複雑な手は初めてよ」


 めきゆは眉間に皺を寄せて考えこんでいる。


「ごめんなさい……あなたが料理が得意なのか不得意なのか、わからないわ。でも手は器用そうね」

「そうですか」


 

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