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いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る

第5章 藍…約束…

【藍】

姐さんから御給金を
貰った銭を少しずつ貯めて…


あの約束を果たす為に…


土産物屋さんで、つげ櫛を買いに行って…
つげ櫛に名を刻んで貰った…


つげ櫛を贈る意味…

理解するようになった…


意中の相手も…

花魁の意味も…



紅…お前の為に
俺は何が出来る…



必ず………



"俺が花魁になったらお前を買ってやるよ…"


"花魁が花魁を買う…"


なんて…無理な話だ…


真の言葉は胸の内に秘めて…


嘘偽りだらけの言葉を
並べて…
テメェらを抱く前に…



紅に…この、つげ櫛を渡すんだ…


この想いは…決して…
誰にも悟されてはいけない…


誰かのものに、なるくらいなら…
俺が、この帳の外へ連れ出してやる…

その為には情報と協力者が必要だ…

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