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いとせめて 恋しきときは むばたまの 夜の衣を 返してぞ着る

第4章 紅…約束…

【紅】

姐さんから御給金を
貰った銭を少しずつ貯めて…


あの約束を果たす為に…


土産物屋さんで組紐を買いに行って…
寝る間を惜しんで
アクビをしながら編んだよ…


おいらね…組紐の意味も…
組紐の色の意味も…
理解するようになった…


意中の相手も…

花魁の意味も…




藍…貴方様の為に
心を込めて編んだよ…



喜んでくれると良いなぁ…


必ず………



"わっちを買って頂けないでしょうか…"



なんて…伝えられたら良いのに…


真の言葉は胸の内に秘めて…


嘘偽りだらけの言葉を
並べて…
抱かれる旦那様に伝える…



絶対に他の旦那様に抱かれる前に…



藍に…この組紐を渡すんだ…


この想いは…決して…
誰にも悟されてはいけない…

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