慕情
第20章 幽蘭の想い
「やだ、や~だ~ッ!!
神楽先輩に応急措置して欲しい~!!」
幽蘭は
地団駄を踏み、その場に座り込んでしまった
「おい、おい…
そんな事をしたら…余計に悪化するぞ…」
神楽は困り果て…
「悪化すれば良いよ…そしたら神楽先輩…
あたしと一緒に居てくれるでしょ?」
幽蘭は今にも泣き出しそう…
「俺は野郎には興味もないし…
お前の気持ちにも応えられない…」
神楽は今度こそ踵を返し…
それだけを言うと…横笛を、くるりと回し
それを聞いた幽蘭は…
「許さない…赦さない…」
幽蘭は憎しみを込め…
小声で、そう言った…
神楽は嫌な予感はしたが…
それには構わず曲を奏で始めた…