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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第5章 ドクター・マックスの黒いウワサ


2機のリック・ドムがコロニーの外壁を飛んでいた


一機が前方を指差す

もう一機の頭のモノアイがグポンッ!と光る

彼らの目指す先には破壊されたアンテナがあった


2機はゆっくりコロニーの外壁に着地する
アンテナの元になるボックスを器用に取り外し、持ち込んだ新しいものに取り替えていく

ケーブルを繋いでいくとアンテナのモニターが起動した


「これで完了、聞こえるか?マーティ」

「回線復旧確認、ニック見てみろよ?このアンテナデブリに激突したわりに綺麗なもんだぜ?岩と言うより何か大きいものに当たってねじまがったかみたいじゃないか?」


「おいおい余計な詮索はナシだぜ?ようやくここの仕事にありつけたんだ、元ジオン兵なんてなかなか就職も難しいんだ、トラブルはごめんだ」


好奇心旺盛な若いマーティは故障の原因がこの先にあるのではないかと気になって前進した


たしかにアンテナの向こうのほうの外壁も何かが衝突したような跡がある

「やっぱり隕石とかではなさそうだぜ?ニック」

「マーティ、勘弁してくれッ!戻ろう
 任務は終わったんだ、あとは大佐たちに任せよう、オレたちは8時間しっかり警戒したんだ、今からオレたちがやることは休むことさ!
 ジョージタウンのバーに寄って一杯やってから女の部屋に行くんだよ、わかるだろう?」


ニックはコックピットのコンソールの前に挟んだ1枚の写真を眺める
 女の名はクローディア、いまニックが入れ込んでる女だ、商売女と言ってしまえばそれまでだが彼女とのささいな会話や気配りが気に入っていた

クリスマスの前に渡したネックレスを次の週にもきちんと着けてきてくれた

“前の女ならとっくに売りさばいてただろうな”

クローディアの浅黒く光る肌はとても素晴らしい
しなやかな肢体はまるで野生動物のようだ
ムダな贅肉がなくスリムでいて、彼女はいつも落ち着いているのだ

“天真爛漫なアホ女も悪くないが、知的でいて狩人のような鋭い目つきのクローディアは本当にいいオンナだ、めっけもんだぜッ”


ニックが外交的なタイプなのに比べて、マーティはひとりでコツコツ学ぶ勉学なタイプだ
絵を描いたりギターを奏でたり、地道に努力して達成感を得たいタイプなのだ

性格が違うからこそニックはマーティとウマが合ったのだ

そして信用できる

ニック機も彼を追った……


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