
はなことば
第10章 Coreopsis《大学生》
弟がリビングで音楽番組を見ていた
弟「coconutsきたぁぁぁ!!」
おそるおそる横目でテレビを見る
" アナウンサー「活動再開した李杏さん、最近はどうですか?」
李杏「少しずつですが、だんだんこの生活にも慣れてきて、体も戻ってきました。」
アナウンサー「そろそろ年末ということで、何か今年の思い出などはありますか?」
李杏「そうですね……もちろん、活動再開できた事も嬉しいことですが、、、
夏に、素敵な思い出が作れたことですかね」
"
唯音「えっ!!!」
弟「なんだよ!!でかい声出すなよ!!」
唯音「っ、ごめん。」
思わぬ発言に咄嗟に声が出た
"
アナウンサー「夏に何かあったんですか?」
李杏「それは……内緒です(◜ᴗ◝ )」
アナウンサー「内緒ですかぁ、残念です〜」
李杏「とにかく、、ある人に感謝しています。
私の背中を押してくれて…そして
素敵な思い出を……ありがとうって」
アナウンサー「詳しいお話お聞きしたい所ですが、
coconutsの皆さん、そろそろお時間です。
披露していただきましょう、coconutsで【コレオプシス】です。どうぞ。」
新曲は彼女作詞の曲だった。
あの夏を連想させる歌詞だった。
彼女は戻っていったのだ。
キラキラ輝くあの世界に。
でもあの夏の思い出は
夢ではなかった。
彼女は僕を思い出にしたのだ。
だったら僕も……
忘れられない思い出にしよう
そう心に決めた。
end
