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はなことば

第11章 Tuberose《男子生徒》



羽琉「ったく、、」

佐々木「先生、今……大丈夫?」

羽琉「大丈夫、大丈夫!入って。」



担任になってすぐの頃から
彼は私をからかうようになった


教室でも「羽琉ちゃん、羽琉ちゃん!」と
まるで私を先生と思っていない


先生と生徒の恋愛関係なんて
絶対にありえない


そんなことあったら
先生を続けられなくなってしまう





後日


下校時刻が過ぎ
生徒がいないか教室を見回りしていた


すると私のクラスだけ明かりがついていた


羽琉「早く帰りなさーい」


教室を覗くと
大野 琉雅の姿があった


羽琉「寝てるし……」

琉雅「zzz……」


寝ている彼を見つめて思わず
心の声が漏れた

羽琉「寝顔綺麗すぎるでしょ…」


全然起きそうにない彼の前の席に座って
彼を見つめた

綺麗な鼻筋、
長いまつ毛、
ゴツゴツした手、、



そして
ふわっとした髪


彼の頭にそっと手を乗せた


琉雅「ん……」


突然起きた彼に焦り
咄嗟に手を離す


羽琉「…っ、、起きた?」

琉雅「…うん、起きた。」

羽琉「じゃぁ、、さっさと帰りなさい。
下校時刻過ぎてるから。」


そういって立ち上がると

琉雅「待って…」

腕を捕まれ、まだ眠そうな目をこすりながら
上目遣いで私を見つめる


羽琉「……何」

琉雅「…起きてた」

羽琉「え……?」

琉雅「寝たふりしてた」

羽琉「嘘だ!…寝てたじゃない。」

琉雅「うん。寝てたけど、羽琉ちゃん来て起きた。」

羽琉「……だったら早く帰りなさい」

琉雅「なんで、撫でてくれたの?」

羽琉「っ、、……」

琉雅「なんで?」

羽琉「…………ご、ゴミ…ついてたから取っただけ」

琉雅「…ふーん」

羽琉「手……離して」

琉雅「嫌だ」

羽琉「嫌だって、、そんな子どもみたいに」

琉雅「だって子どもだもん。」



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