
はなことば
第11章 Tuberose《男子生徒》
私の学校は職員室はなく
科目ごとに分かれた
先生の部屋がある
英語科の先生は全部で3人
人数が少ないおかげで
いざこざがないから
とても働きやすい
コンコン
羽琉「佐々木さんね、入って大丈夫よー」
?「失礼しまーす」
ガラッ
羽琉「あれ、、」
琉雅「やっほー、羽琉ちゃん」
うちのクラスの
大野 琉雅
いわゆるスクールカーストで言えば
トップクラスの彼
リーダーのように
引っ張っていくようなタイプではないが
発言の影響力は高く
決め事をする時にボソッと彼の言ったことが
採用されることも多い
そして完全に
私を舐めている
羽琉「 ちゃん付けやめなさい
" 先生 "でしょ! 」
琉雅「はーい、羽琉先生っ」
羽琉「っで、何…?どうかした?」
琉雅「あ、これ」
そういってノートを差し出した
琉雅「さっき出し忘れてた」
羽琉「もう、ちゃんと皆と同じ
タイミングで出しなさいよ」
琉雅「だって、ここ来たかったから」
羽琉「え?」
琉雅「ここ来れば、羽琉ちゃ…先生と
2人になれるし?」
羽琉「2人になってどうするの?
先生をからかわないで。」
琉雅「からかってないよ。
……ただ本当に、、先生に会いに来ただけ。」
彼はそういって
私の隣の机に座って上から私を見つめる
羽琉「……」
琉雅「先生は……生徒にドキドキしたことある?」
羽琉「…っ、ありません。」
琉雅「ふーん……」
羽琉「ふーんって何よ……」
琉雅「……じゃぁこれは?」
そういって顔を近くに寄せた
羽琉「っ!…からかわないで。」
琉雅「…別にからかってないのに」
コンコン
佐々木「羽琉先生ー!」
ドアの前から佐々木さんの声が__
羽琉「これから佐々木さんと話があるから、
用がないなら帰りなさい」
琉雅「……ん、わかった。帰るよ。」
彼は扉を開けると
目の前に佐々木さんの姿
琉雅「じゃ、また明日ね、羽琉ちゃんっ」
わざとらしく私の名前を" ちゃん "付けで呼ぶと
手を振って帰って行った
