はなことば
第5章 Primrose《クラスメイト》
放課後の図書室
誰もいないはずの図書室に
初恋の彼が座っている
春斗「あれ?櫻井?」
琴葉「あっ、春斗くん。」
春斗「何しての?」
琴葉「あっ、えっと…本……読みに来た」
春斗「そうだよね。図書室だもんね。」
琴葉「うん(^^)」
手塚春斗
中学1年生の私たちは
同じクラスメイトで
私の席の前の座席。
私は彼に恋をしている
.
図書室_
好きな本を手に取り
離れた席に
静かに座った
すると
春斗「なんで、そんな離れたとこ座るの?」
琴葉「え?あっ、……邪魔しちゃ悪いし」
春斗「息抜きしたいからちょっと話そうよ」
琴葉「えっ、あ……うん///」
.
春斗くんの対面に座った
春斗「その本、何?」
琴葉「あっ、これはその…なんていうか」
春斗「写真集?空の本…?」
琴葉「そう、青空とか、夜空とか……」
春斗「へぇ、すげぇ。見せて?」
琴葉「うん(^^)」
.
春斗「うわぁ、これ俺好き!!」
琴葉「あ!それ私も好き!」
お互いに気がつくと
前のめりになってた
そのせいで
つい顔が近くなった
琴葉「あっ、ごめん……///」
春斗「そんなんで照れんなよ」
琴葉「別に照れてないし!
それより……春斗くんは、何読んでるの?」
照れを隠すように
琴葉は話題を変えた
春斗「ん?んー、医学の本」
琴葉「え!すご!よくそんな難しい本読めるね」
春斗「俺のお父さん、産婦人科の先生なんだ」
琴葉「へぇー!凄い!
え、じゃぁ春斗くんは将来お医者さん?」
春斗「一応、その予定。」
琴葉「そっかぁ。もう夢があっていいなぁ」
春斗「お父さんは憧れだから」
琴葉「今から勉強してるの?」
春斗「本当はサッカーとかしたいけど…
少しずつやらないとだから」
琴葉「産婦人科って赤ちゃん産むとこだよね」
春斗「うん。あと赤ちゃんが産まれる前も、
赤ちゃんがちゃんと育ってるかみたりするんだよ」
琴葉「あれだ!コウノドリだ!綾野剛の!」
春斗「そうそう!それ!」
琴葉「へぇ、本当に凄い!!
なんか……ますます好きになっちゃうよ」