
はなことば
第6章 Cleome《俳優》
汐海「やだーじゃないから!」
煌也「…俺、このままじゃ失敗する……」
汐海「もう…大げさ。」
煌也「大げさじゃないもん。
……お願い、しおちゃん。
演技の練習…手伝ってよ。」
練習…
演技の練習……
だからこれは…
マネージャーの仕事だ__
汐海「…わかった…いいよ。」
煌也「え?」
汐海「……練習、付き合うよ」
そういうと
煌也は台本を取り出した
この時は、
煌也の酔いも少しは覚めていたようだった
汐海「まずは……キスシーン…か。」
台本を確認する汐海を
煌也は見つめている
汐海「……何からすればいいの?」
煌也「……キスするから…セリフ読んで」
そういって
煌也は汐海に近づき、
優しくキスをした
汐海「ン……」
煌也「早く……読んで…」
汐海「 ……ッ " 湊くん…… "」
煌也「 " ずっと…こうしたかった… "」
煌也は唇から離し
首筋にキスをした
汐海「……ッン… 」
煌也「…しおちゃんの番だよ……」
汐海「 ……ッ " 弟…帰ってきちゃう " 」
煌也「 " 帰ってくる前に終わらせる "」
煌也は
汐海の服に手をかけた
汐海「待って!……脱ぐの?」
煌也「だって…
…台本の中の陽葵ちゃんは脱いでるよ?」
汐海「それは……そうだけど…」
煌也「ダメ?……」
これは練習……
演技の練習……
煌也のため……
汐海は自分に言い聞かせた
汐海「演技……続けて…」
