
はなことば
第6章 Cleome《俳優》
あれから社長には
出演する方向で話を進めてもらった
汐海も煌也との約束通り
色々な作品を集め煌也に渡した
そしてついに
煌也の主演映画のキャストも決まり、
ついに1ヶ月後撮影が始まることになった
グループ活動も一区切りつき、
煌也の決起集会を兼ねて
メンバーがご飯会を開いてくれることになった
メンバー5人とそのマネージャー5人で
楽しく呑みながら盛り上がった
終盤になり…
悟「ちょ、……煌也大丈夫か?」
蓮「煌也がこんな呑むなんて珍しいな…」
雅人「まぁ、これから映画で忙しくなるし
今日くらいは許してやろう!」
蒼太「でもさすがに心配だから…
そろそろ解散しよう。しおちゃん、後は頼める?」
汐海「うん、任せて。ほら、、煌也帰るよ。」
汐海は煌也を抱え
なんとか煌也の家についた
煌也「しーーおーーちゃん」
汐海「もう、酔っ払ってないで。ほらお水。」
煌也「飲ませて。」
汐海「バカ言わないの。ほら、自分で飲んで。」
汐海はコップを手渡し、
煌也が脱ぎ捨てた上着をたたみ直す
汐海「…どうしちゃったの?…
…いつもはこんな風にならないのに」
煌也「……勉強…進まなくて」
汐海「…ん?」
煌也「俺ね?しおちゃんが集めてくれたやつ、
全部見たんだよ?……
何回も…巻き戻して見た。」
汐海「うん。」
まるで子犬のように目を
うるうるさせて話す煌也に
思わず優しく返事をする汐海
煌也「でも、わかんなくて……
…俺がどんな表情したらいいのか……
どんな表情してるのか……」
汐海「確かに…自分で鏡で見るのも…
ちょっと……恥ずかしいしね」
煌也「だからね…しおちゃん、、」
煌也は、汐海に近づき
煌也「……練習させて。」
そういって煌也は汐海を抱きしめた
汐海「っ!……ちょ、何してるのっ!」
煌也「だって…こんなこと……頼めるの、
しおちゃんだけだもん……」
汐海「っ!ちょっと…いいから、離して」
煌也「やだー」
