
はなことば
第8章 Marigold《年下男子》
凜夏「お疲れ様でした」
あの日、私は残業を終え
帰宅していた時だった
私の家の前で彼は倒れていた
凜夏「えっ?…えっ??」
恐る恐る近寄ると
息をしていた
救急車を呼ばなかったのは
お酒の匂いがしたから
あと寝ながらニヤニヤ笑っていたから
凜夏「あの……あの!!」
心惟「んー……」
凜夏「ここ、私の家なんですけど!、」
心惟「ん?……ん?お姉さん……」
凜夏「起きたなら…帰ってください」
心惟「お姉さん、可愛いね」
凜夏「何言ってるの!ほら、良いから早く!」
心惟「……気持ち悪い…」
凜夏「え!!ちょっと!だめ!!
絶対ココで吐かないで!」
思わず、自分の家のトイレに誘導した
しばらくしてから
おぼつかない足元で
彼が出てきた
心惟「うぅ……」
凜夏「だ、大丈夫ですか?」
心惟「お姉さん……泊まってってもいい?」
凜夏「は?」
心惟「鍵……なくしたみたい」
凜夏「ちょっと!!冗談言わないでよ!」
心惟「もう……眠いし……」
凜夏「ちょっと!!」
彼はその場で
寝っ転がり出した
体感3秒くらいで
スーっと寝息が聞こえた
凜夏「はぁぁぁ???」
普通だったら通報レベルだ
でも私はしなかった
なぜなら
彼はかなりの美男子だったのだ
