
はなことば
第8章 Marigold《年下男子》
ブランケットを彼にかけ
自分自身も夜の支度を終えると
ベッドで眠りについた
翌朝__
コンコン
ジュー
凜夏「ん……?」
台所から音がする
まな板で刻む音
フライパンで焼く音
トースターのチンッの音
凜夏「……まさか」
急いでリビングへ向かうと
凜夏「君……」
心惟「おはようございます!お姉さん!」
凜夏「お、お姉さん…」
心惟「昨日はご迷惑おかけしました。
本当に……本当にすいませんでした。」
凜夏「あっ、いや……別に。
その床ですぐ寝ちゃったし。」
心惟「屋根のあるところで寝れただけ、大変ありがたいです。お礼に朝ごはん作ったんで一緒に食べましょう!」
彼の波に
一瞬で飲み込まれていく
テーブルに
トーストに目玉焼きとベーコン、
湯気いっぱいのコーンスープ
凜夏「すご……」
心惟「簡単なものですけど…
あっ、卵賞味期限2日前だったんで
使っちゃいました…。後はコンビニで…」
凜夏「わざわざで買って作ってくれたの?」
心惟「はい…」
凜夏「いただきます」
心が温まっていく
簡単もの
彼はそういったけど
心に染み込む朝ごはんだった
