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幽霊の悩み事

第1章 幽霊の悩み事

「お前は昔から変わらないな。幽霊の話に耳を傾けるのはいいが、そろそろ悪い霊と良い霊の見分けができるようにしないとな」

『ぷはっ、私と同じこと言ってる』


 相沢はるかが隣でクスクス笑った。


「でも悪霊だって苦しんでるんだ。好きで悪霊になったわけじゃないと思う。だから僕が少しでも話を聞いてあげたら……」

「そうやって話を聞いてあげて、階段から突き落とされたんだろ? しかも身体を乗っ取られて、それでも悪霊の話を聞こうだなんて……お前死ぬぞ」

「……」


 僕には幼い頃の記憶がある。
 一緒に遊んでいたみーちゃんが大好きだった。でもみーちゃんは実は幽霊で、お母さんが大好きだったから天国に行きたくないと言っていた。


 一人だと寂しい
 お母さんと一緒に天国に行きたい


 そのうち、みーちゃんは悪霊化していった。




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