悪役令嬢は次期公爵のあま〜い♡溺愛をうける。
第2章 **02
お礼とは何をすれば、と悩む隙も無いままに、気が付けばクラウィス様により上を向かされて唇が塞がれていた。
クラウィス様の柔らかな唇の感触。
「んっ!?···んん、···」
キスされている、という事に気が付くのはそう遅くは無かった。
驚いて抵抗混じりに胸を押せば、ぎゅっと手を握られて呆気なく失敗に終わってしまう。
「ふぁ···っ!、ン」
一度唇を離されて息をしようと口を開けば、クラウィス様の舌が私の口内へと入って来た。
歯列をなぞられ、口内をじっくり味わうと舌を絡ませられて、やがて唇が離れると舌先からは唾液が糸を引いていた。
「···はぁっ、クラウィス様···?」
「可愛い私のリーチェ。そんな顔をされては、せっかく貰ったお礼ももっと貰う事になってしまうよ」
クラウィス様の瞳に写った私の顔は、目をトロンとさせてうっとりと頬を赤く染めていた。
だって仕方ないじゃない。
まさか、あんなに深いキスをされるなんて思っていなかったんだもの。
それにしても、この状況。
クラウィス様とベアトリーチェは何処まで進んでいるのだろう。こうして口付けをするくらいには仲が良いらしいし、その、もう済ませちゃったりしたのだろうか···。