早乙女くんがヒロイン?~エッチ表現有りバージョン~
第2章 散歩
ドーナツがこんな風になることなんて今まで無かった。
このままだとまずい…
「ヒグッ……」
嗚咽が聞こえてドーナツを抱えたまま前を見ると、制服のシャツがはだけていて泣きながら地面に座り込んでいる姫野が目の前にいた。
バッとドーナツが噛み付いている奴を見上げると、小汚い男が下半身モロ出しで必死でズボンを元に戻そうとしていた。
「いってぇな!このクソ犬ッ!」
ガンッ!
「キャンッ!」
「ドーナツッ!」
その男はもう片方の足で思い切りドーナツを蹴り飛ばした。
ブチ切れた俺はそいつの胸ぐらに掴み掛って睨みつける。
コイツ……一発殴らねぇと気がすまねぇ…
「ヒッ!ごめんなさい!ごめんなさいっ!!おねがいですから殴らないでくださっ…アッ」
「うおッ!てめっ!ふざけんじゃねぇ!」
そいつはなんと失禁をした。
下半身丸出しだったからこっちに飛んで来そうになって俺は急いでそいつを押しのけた。
すると、そいつは物凄い速さで逃げて行く。
「逃げんな!あーっ!クソっ!」
すぐに追い掛けたかったが、蹴り飛ばされたドーナツと乱れた姿の姫野を置いて行けず追い掛けるのを諦めた。