早乙女くんがヒロイン?~エッチ表現有りバージョン~
第10章 ブーム
「先生っ!こっちです!!ここです!!ここにいました!早く来てください!」
先生なんて一緒に来ていないけど、私は咄嗟に先生も来ているように誰もいない廊下に向かって叫んだ。
「ヤバっ!ねぇ!これ見つかるとやばいって!」
「大学の内部推薦取り消されるよ!逃げよう!」
「俺もそれは困る!窓から出るぞ!」
三年生の女子三人と男子一人は乱れた格好のまま大慌てでカーテンを開けて窓を開けてそこから逃げて行った。
逃げていくのを確認してから窓を閉めて急いで龍牙君に駆け寄った。
「龍牙君大丈夫!?やだ…こんな…ひどい…」
「ッ……悪い……あんなのに簡単に捕まって…ハァハァ…首の外してもらっていいか?苦しい…」
「龍牙君のせいじゃないよっ…今外すから」
龍牙君の首には首輪がキツく付けられていて、急いでそれを外す。
「ハァハァ…先生来てるのか…?」
「ううん…一人で探してたから嘘なの…だからもし戻って来ちゃったら…うぅ…」
縛られてて怖い思いしてるのは龍牙君なのに、私が震えてしまっている。
「…あの様子なら戻ってこないと思う…大丈夫だから…俺の手と足縛ってるやつ外せるか?」
「……うん……今、外す…」
龍牙君の後ろに回って手首を見ると、龍牙君の手首が抵抗して血だらけになっている。
「あっ……手首怪我してる…血が…」
「あんまり痛みないから大丈夫だ…」
縛られている紐が固結びになっていてなかなか取れなくて焦ってしまう。