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悪いオンナ…2

第1章 【美大生の僕は魅力溢れる彼女に心奪われて…】






休憩も挟みつつ、僕は本能に従った
気が付いたら辺りは暗くなっていて、慌てて毛布を掛けてあげた



「ごめん、寒かったよね、今日はこれで終わろう」



「うん、わかった」



その日から何回かに分けてモデルをお願いした
なかなか会えないから、余程でない限り行かない食堂へと足を運ぶ
すぐにわかった
一瞬で目を引くから
やっぱり彼女は一際美人で目立ってる
常に周りに誰か居るタイプなんだな
今でもこうして僕なんかと接点がある方が有り得ないよな



キミこそ、他の人と居る時はあんな風に笑ってるんだな
普通にボディータッチされて髪も触らせてる
男女問わず人気者なのか
僕とは真逆の光の真下にいるような存在
それから時々目にするキミはいつも誰かに言い寄られていた
僕に向けていた笑顔も、あんな安売りしてるんだ



1週間ほど空いて、約束だった日
僕は珍しく大学を休んだ
描ける気がしないのだ
彼女に会うときっと僕は冷静で居られなくなる
醜い、名も知れぬ感情に振り回される気がする
(急用が出来たのでデッサンはキャンセルさせてください)と送って既読がついたけど返信はない
その程度の関係だったんだと思い知って、なに落ち込んでるんだろ……



外は雨………キャンセルして正解だったかも
お腹も空かないし、録り溜めしていたアニメも全部見た
何か気を紛らせていないと、あの日の快楽が脳裏に蘇ってきておかしくなりそうだ
顔を覆った瞬間、インターホンが鳴る
ドアの向こうからノックの後に「ガク…」と彼女の声が



嘘だろ?と勢い良くドアを開けたら、雨で少し濡れた彼女が抱き着いてきた



「な……んで?」



「そっちこそ、何でキャンセルしたの?」



服も、少し濡れてる……雨の中走って来たの?
胸一杯に彼女の膨らみを感じたらもう無理だよ……






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