
地下
第1章 境遇の者たち
足元がおぼつかず、危なっかしくあるが、わざとそう歩くというよりは、頭の中に霧が広がった感覚で、手探りで目的の物を探し出そうとしているが掴めなく、仕方なくこの歩き方になっていた。
いつからこのような歩き方になったのか、確実なことを思い出すことができないまま、ただ歩き続けるほかがなかった。
男はおぼろげな記憶を頼りに、向かわなくてはならない場所はあるけれど、そこがどこなのか情報を持ってはいなかった。
頭の中に立ち込める霧をかき分けながら、向かうべき場所へと一歩ずつ、確かに歩みを進め突き進んでいく。
ーーーーー
狭いのか、ちょうどいい場所か適切に判断するには難しい殺風景な場所は天井に一つ長方形の電灯が設置されているだけでどこか寂しい感じがした。
目が覚めてすぐに状況を把握しようと身体を動かそうともがいてみるも、どうも窮屈で自由な行動をするには難しさを感じる。
「ん、なんだ?」
今の状態を理解するのに何分か要したが、男が寝袋のような物に体が囚われているのに気づき、即座に手を出して上向きにあるチャックを下げる。
今までの窮屈さからは解放されて、ようやく自由になった身体を起こした。
別に手足を縛られている様子はなく、纏わられていたものを剥がせばすぐさま自由になれるのだと安心感が湧き起こる。
周りを見渡して位置確認をしてみるが、こざっぱりしすぎて何が何だかさっぱりと理解できないでいた。
いつからこのような歩き方になったのか、確実なことを思い出すことができないまま、ただ歩き続けるほかがなかった。
男はおぼろげな記憶を頼りに、向かわなくてはならない場所はあるけれど、そこがどこなのか情報を持ってはいなかった。
頭の中に立ち込める霧をかき分けながら、向かうべき場所へと一歩ずつ、確かに歩みを進め突き進んでいく。
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狭いのか、ちょうどいい場所か適切に判断するには難しい殺風景な場所は天井に一つ長方形の電灯が設置されているだけでどこか寂しい感じがした。
目が覚めてすぐに状況を把握しようと身体を動かそうともがいてみるも、どうも窮屈で自由な行動をするには難しさを感じる。
「ん、なんだ?」
今の状態を理解するのに何分か要したが、男が寝袋のような物に体が囚われているのに気づき、即座に手を出して上向きにあるチャックを下げる。
今までの窮屈さからは解放されて、ようやく自由になった身体を起こした。
別に手足を縛られている様子はなく、纏わられていたものを剥がせばすぐさま自由になれるのだと安心感が湧き起こる。
周りを見渡して位置確認をしてみるが、こざっぱりしすぎて何が何だかさっぱりと理解できないでいた。
