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地下

第1章 境遇の者たち

立ち上がってみたのは良かったが、いつ、どのタイミングで今いる場所に来たのか、どういう経路だったかも思い出せないまま、少し前の記憶を呼び起こそうとすると、不思議と軽い頭痛が男に起こり、一度頭痛をなくそうと思い返すことをやめた。
すっと、軽い頭痛は引いて状態はすぐに戻る。
こんなに簡単に症状が治るならば、逆に思い出そうとするのはやめた方がいいのではっとその思考を捨てようとする。
横を見ればさっきまで男を閉じ込められていた寝袋が主を失ったというようにぐったりとしていた。
「さて、ここからはどうするべきか…」
どこかの中に居ることは把握ができたが、それが何かなのかを掴めることができない。
様子を見ている限り、壁はコンクリートで固められた薄暗い、どこか不気味な感な場所だ。
1人だけで閉じ込められたか、と少し不安もあり、そこでここから脱出しなければならないかもしれないという覚悟を決めようとしたところで、不意に後ろから声をかけられた。
「あのー…」
男以外誰もいないと思い込んでいたから背後に聞こえた声に驚きと共に振り返る。
そこには三人の男女が立っていて、男と同様驚きの表情を見せていた。
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