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愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第7章 【選択1】

私は渋々、手の甲を軍人が用意した専用の機械にかざした。



私の手の甲の中にはマイクロチップが埋め込まれている。そこには生体認証や口座情報が入っていて、電子決済もできる。



(どうしよう……叔父さんに連絡されたら……)



しかし私の心配とは裏腹に、軍人から何か怪しまれることもなく、荷物のチェックも無事に終わった。



「で、モンスターには遭遇したのか?」

「はい……。ですが、今までヒーローに助けてもらったので怪我はしていません」

「へえ〜、あんたヒーローに守ってもらったのか。奴らの中にも、生真面目な奴がいたもんだ」

「どういうことですか? ヒーローは人々を守るためにヒーローになったんですよね?」

「ふははっ! あんた、それ本気で言ってんのか?」

「え?」

「そんな正義なヒーローなんて、あんたが出会ったヒーローくらいだぜ。誰が自分の命失くしてまで、他人の命守るかよ! しかも自分の身体を改造してまでな!」

「……っ」

「奴らが自らヒーローに志願したんじゃない。政府の奴らに攫われて、人体実験されたのさ」

「―――っ!?」

「おおっと、喋りすぎちまったか。嬢ちゃん、この話は内緒だぜ? そのヒーローには無理するなと伝えておいてくれ。力を使えば使うほど、寿命は縮むってな」




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