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愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第1章 私のヒーロー

私には、両親がいない。
両親は数年前にモンスターに襲われて死んでしまった。



私は叔父さんに引き取られ、叔父さんが管理しているマンションに住まわせてもらっている。衣食住揃っていて、大学にも通わせてもらっていて、身の回りの世話をしてくれる小さなAIロボットもいるけど、ずっと孤独を感じていた。



そんな時に、出会ったのが爆笑戦隊の爆レンジャーだった。彼らは5人のグループのお笑いアイドルだった。どこの誰なのかはわからない。でもいつも皆を笑わせてくれる温かい人たちだった。



イベントに行くたび、モンスターが現れて怖い思いもしたけど、そのたびに爆レッドが助けてくれて、私はいつしか恋心を抱くようになった。



(でも花梨の専属ヒーローになるなら、もう応援できない。イベントに行くのはもうやめよう……)



『ボクガ、ユウコヲ、マモリマス』



小さなAIロボットは私の耳のそばでそう囁いた。



「……うん、守ってね」



私は泣きながら微笑んだ。



さよなら、私のヒーロー………爆レッド。







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