テキストサイズ

愛されてると勘違いだったので、推し活をやめようと思います

第1章 私のヒーロー

「そう……私のことは気にしないで。二人とも、お幸せに……」



私は自分が惨めで、その場から立ち去った。
自宅に帰ると、小さなAIロボットが出迎えてくれた。



『オカエリナサイ、ユウコ。キタクジカン、15フン、オクレテマス。ナニカアリマシタカ?』

「花梨と少し話してたの」

『カリンハ、ガッコウノ、トモダチデスネ』

「……恋人ができたんだって」

『コイビト、デスカ。ソレハ、オメデトウゴザイマス』

「おめでとうなんか、言わないでっ……」



私はベッドに置いてある枕を小さなAIロボットに投げつけた。しかし、AIロボットはスッと回避する。



『ユウコ、ドウシタンデスカ? ゴキゲンナナメデスネ?』

「……っ……」



私は今になって涙が溢れてきた。



「好きだったのに……両思いだと思ったのにっ……」

『ユウコハ、スキナヒトガ、イタンデスネ』

「もう、推し活やめるっ……」

『オシカツ、ヤメルノデスカ?』

「うわあああんっ……」

『ヨシヨシ、ユウコ。ナカナイデ』



小さなAIロボットは私のそばに寄ってきて、頭を撫でようとしたが届かなかった。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ