
夢からサメても【4ページ短編】第10弾
第1章 シャーク×ダンジョン
泡の囲いでサメの魔獣は逃げられない!
俺は〈暴風雷鳴〉のスキルを発動する
本来は地上で使うものだが手段を選んでられない
魔獣の周りにぐるぐると渦が出来、サメの身体が風圧に耐えきれずバキバキと音を立てていく
サメの魔獣も最後まで抵抗し、絶命の瞬間なにやらスキルを発動させていた
あたりを見回しても何ら変化は無さそうだ
失敗したのか?
「気を付けてジェフリー!そいつのスキルは〈ジョブ変更〉よッ!」
岩場からソフィーが叫ぶ
「な、何ッ!?早く言えよッ!」
何とかサメの魔獣を討伐したものの、俺は身体の底から力が無くなっていくのを感じていた
「ほらよ、魔獣が残したスキル結晶だ
これをギルドに出したら討伐の証になるだろ」
俺は宝石のように輝く結晶をソフィーに渡した
「何言ってんのよ、倒したのはアンタじゃない」
「もう俺は冒険者じゃなくなったらしい、討伐生活はもう終わりだ、引退するよ」
何年もかけて積み重ねてきたレベルや装備だったが、冒険者のジョブではなくなった以上すべてが使えなくなってしまっただろう
「……わたしもただの村人レベル1にされてしまったわ、アンタこれからどうするつもり?」
ソフィーにそう言われてもまだ今は何も考えられなかった
翌日、馬車を乗り継ぎなんとかふたりで町のギルドまで戻ってきた
俺の〈風の冒険者〉の仲間たちも戻ってきていた
ダンジョン討伐と海の魔獣討伐のふたつのミッションはそれなりの報酬が出たのは幸いだ
俺のパーティーは解散、ソフィーのパーティーも全滅してしまった
俺とソフィーは腐れ縁もあって冒険者たちのための宿屋を立ち上げた
ギルド仲間のよしみもあって意外と繁盛してしまった
明日の朝食の下ごしらえも終わったし、あとは寝るだけだ
「そっちは終わった?ジェフリー」
厨房まで覗きにきたソフィーの顔はもうシワが増えてしまっているが、今でもあの頃のような元気なまま変わらない
俺は立ち上がってソフィーの腰に腕をまわす
「……もう、ジェフリーったら!厨房でスルつもり?こんな明るい場所はイヤよ、もうおばあさんの裸なんて見たくないでしょ」
俺はソフィーを台所に手をつかせ、後ろから貫いた
馴染みのある筈のソフィーの肉壺だが、いつもよりキツく締めてきた…
