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スイーツ・スイーツ

第2章 復讐への序章

そこへ、鏡子が帰ってきた。
「あー、風が強かった。パンチラ大サービス」
言いながら、ドアを閉める。

「あら、瞳ちゃんは?」
「チャンチャンチャーン」

突き落とすゼスチャーが付いた。
こいつなら、やりかねん。

「瞳ちゃんは?」
「帰りました。病院に行くとか言って」

鏡子は椅子に座った。

「時間が短かったせいもあり、交渉は決裂しました。まことに遺憾です」
「そう」
「石橋瞳は入江若葉に怪我をさせると宣言しました」
「そう」

そっか。

「何ですか、それ!?」

五島菫が思わず叫んだ。

「犯行予告だろ」
「じゃなくて、その……」

こんなシチュになり、菫ちゃんは混乱の極みだ。

「で、二人はクラスが同じだそうね」
「・・・・・・はい」

すると、鏡子は立ち上がって――
深々と頭を下げた。

「瞳さんを説得してください。なんだって言うことを聞きます。なんだっておごります。テスト前にはマンツーマンで勉強を見ます。この通り、お願いします」

面食らう、菫ちゃん。無理もない。
上級生が敬語だし。

「あ、あの……」
「足りないですか? では、必殺『全裸土下座』ではどうですか?」
顔を上げずに言う鏡子。

「やめろー!」
理恵子先輩と私が叫んだ。

その必殺技は、既遂なのだ。

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