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Lの禁忌 〜taboo〜

第1章 【ココロ、堕ちる】







まりさんは覚えてないだろうけど、私たちが
最初に出逢ったのは引っ越しの挨拶じゃない
その少し前
マンションの内見の時だった
駅近を希望していたけどなかなか良い条件の
ところに巡り会えなくて7回目の内見だったと思う
「丁度良い物件が空きまして」と案内されたのが
まりさんの住むマンションだった



ファミリー層も住んでるみたいだから
煩くないかな?って不安も過ぎったんだけど
部屋の数と内装がとにかく綺麗で印象は良し
ただ、駅近ではない
まぁ、車あるし良いか
キープだな、と案内してくれた不動産屋さんと
帰ろうとした時に丁度、
マンションのエントランスにヒール音が聴こえて
瞬く間に目を奪われた



全く知らない私たちにまで笑顔で挨拶してくれたんだよ
女神かと思った
綺麗な人……花柄のワンピースが映えてる
マンションに入って行ったから此処の住人なんだ
かなりあからさまだったけど、
この機会を逃しちゃいけないって全身が叫んだの
その場で「此処にします」と契約に至った



不思議なものだよね
希望条件に全然当てはまってない地域、
内見するつもりもなかった物件に決めちゃうんだもん
単純に、また会いたいって思った
不純な動機だけど、此処に決めて心底良かったって
思ってます



まりさんとの出逢いが、
今後の人生を左右するくらい私にとって
大切な出逢いだったんです
私も、こんなに人を愛するなんて
思ってもみませんでした
しかも、同性……
まりさんは、同性愛って受け入れてくれますか…?
伝えるのは正直、怖い



お友達として仲良くなれたのに
この状況がいっぺんに変わったとしたら
今後の生活にも影響しちゃうよ
振られても同じマンションで顔を合わせるって
地獄じゃん……
だから、慎重に、悟られないようにしようって
思ってたのに





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