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国家特別プロジェクト

第31章 ラーメンと笑い声の夜

夕食を終えた頃、館内に柔らかなアナウンスが流れた📢
聞き慣れたおじいちゃん講師の声に、場の空気がすっと静まる。

「女性の皆さん、本日の母乳体験、お疲れ様でした」

その一言だけで、さっきの恥ずかしさや笑い声が一気によみがえり、私も思わずこころと顔を見合わせて吹き出した。

「ささやかですが、関係者からプレゼントをお送りしました。各部屋のドアの前に置いてあります」

「えっ!?プレゼント!?」
食堂のあちこちから驚きの声が上がり、雰囲気は一気にざわつく。

そして先生の声はさらに続いた。
「加えて……総理からも追加のプレゼントです。プロジェクト参加者全員に、プーマのスニーカーを。男性は青と白、女性はピンクと白の色合いです。明日お渡ししますので、楽しみにしていてください👟」

「スニーカー!?」「お揃いとかテンション上がるー!」
歓声が響き渡り、隣のこころも「わぁ〜すごい!」と目を輝かせていた。

「なお、明日の午前は新しい靴を履いて短距離走を行います。50m走のタイムを測ります。9時にグラウンドへ集合してください⏱」

「長距離の次は短距離かぁ〜💦」こころが頭を抱える仕草をして、周りに笑いが広がる。

部屋に戻ると、ドアの前に本当に段ボールが置かれていて、胸が高鳴った。
「なんだろう?」「早く開けよ!」
ガサガサと箱を開けると、中からオレンジ色で統一された文房具セットが現れる。

「かわいい〜✒️」こころが声を上げる。
「ね!これなら座学も頑張れそう😊」私も思わず笑ってしまう。

小さなメモが添えられていて、手書きの文字が目に入った。
――「女性だけ特別にプレゼントします😉 座学の時に少しでもテンションが上がり、意欲的に学習できますように」

その言葉を見た瞬間、胸の奥がじんわりあたたかくなった。
「こういう心遣いって、嬉しいね」
「うん……なんか、大事にされてるって感じする☺️」

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