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国家特別プロジェクト

第17章 夜空に灯るキャンプファイヤー

バスに乗り込むと、こころと私は隣同士の席に腰を下ろした。
シートにもたれかかりながら、スマホを取り出して今日のインスタ投稿を考え始める。

「この2人でスイカ持って笑ってるやつどう?🍉」とこころが画面を見せてくる。
「夏らしくていい〜!映えるね✨」と思わず声が弾んだ。

「じゃあピン写はどうする?」
「こころは焼きそば炒めてるシーンがいいよ。すっごい可愛い🥹」
「え〜!じゃあまりかはシュークリーム食べてるやつ!あれめっちゃ可愛いよ💕」
「やだぁ😂でも確かに美味しそうに撮れてるしアリだね」

さらに私は思い出して声をあげた。
「そうだ!オレンジのワンピース可愛いからさ、あいかに撮ってもらった後ろ姿のやつも入れたい🔥」
スクロールすると、焚き火の前で笑い合う私とこころの写真が出てきた。
「これ!めっちゃいいじゃん〜!」
「2人とも楽しそうに笑ってるし、雰囲気最高だね☺️」
顔を見合わせてまた笑い声が弾ける。

写真を選び終えたあと、ふたりで「お互い可愛いね〜💕」と褒め合って投稿を仕上げると、安心したのか急に眠気が押し寄せた。

「メリーゴーランドもあったから疲れたけど……最後はほんと楽しかったね」
「うん……🥱」

そんな会話を最後に、私たちは揃って眠りに落ちた。

バスの窓の外には、広がる草原の黒いシルエットが流れていく。星が瞬く田舎の夜空から、少しずつ街灯やネオンの明かりが増えていく。
自然の静けさから都会の喧騒へ――風景が変わっていくのを横目に、私たちはぐっすり熟睡していた😴💤

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