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国家特別プロジェクト

第17章 夜空に灯るキャンプファイヤー

戻ると、ふうじゅが真っ直ぐこちらに歩いてきた。
「戻ってそうそうごめん。……俺とも話そう」

キャンプファイヤーの火の近く、少し離れたベンチに並んで腰を下ろす。
炎のゆらめきがふたりの顔を赤く照らしていた。

「今日はお疲れ様」ふうじゅが笑って紙コップを差し出す。
「ありがとう😊」思わず笑顔になる。

ふうじゅは少し間を置いてから、真剣な目でこちらを見た。
「今日、初めてしっかり話して思ったけど……ストレートに言うな。まりかは俺の恋愛対象に入る」
心臓がどきんと跳ねる。
「げんといい感じなのかもしれないけど、俺は俺でできることをする。……惚れさせたい」

真正面からの言葉に、思わず頬が熱を帯びた💗
「げんくんとは仲良くさせてもらってる。でも付き合ってるわけじゃないんだ。……少し気になってるのは本当だけど」

「そうなんだな」ふうじゅはニッと笑って肩を揺らす。
「じゃあ堂々と行けるわ。俺、引かねぇから」

炎を見つめたまま、ふうじゅがふいに聞いてきた。
「まりかって、どんな人がタイプ?」

「うーん……リードしてくれる人かな。引っ張ってくれると安心するし、嬉しい」
「なるほどね」口角を上げ、胸を軽く叩く。
「じゃあ任せろ。俺、そういうの得意だから」

思わず笑ってしまう。
「もう、簡単に言うね😂」
「簡単じゃないって。本気で言ってる」
茶化すようでいて、その瞳の奥には揺るぎない熱が宿っていた。

そのとき、少し離れた焚き火の輪から、わかばとまつりの弾けるような笑い声が聞こえてきた。
げんともう一人の男子が何か冗談を言ったらしく、みんなが楽しそうに盛り上がっている。

賑やかな声が遠くのBGMみたいに響く中、ここだけは不思議と静かで、炎の赤とふうじゅの真剣な眼差しだけが際立っていた。

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