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国家特別プロジェクト

第21章 水羊羹の甘さとともに

昼になり、食堂のカウンターには大きなざるに盛られた「ざるうどん」と「ざる蕎麦」が並べられていた。氷で冷やされた麺は艶やかに輝き、つるりと喉をすべりそうな涼しげな見た目だ。横には小鉢に盛られた薬味がずらりと並び、刻みネギやすりおろし生姜、わさびの香りが食欲を刺激する。さらにデザートの水羊羹が冷たい器にきらめいていて、口に入れる前から甘さとみずみずしさが想像できた。

「うどんにしよっかな〜」
「私は蕎麦!」
思い思いに好きな方を取って、みんなでトレイを手にテーブルへと向かう。席に着いてそろって「いただきます😄」と声を合わせると、食堂の中に元気な声が響いた。

冷たい麺をつゆにくぐらせて口に運ぶと、つるんと滑らかに入ってきて、噛むたびにしっかりとしたコシが広がる。冷たい出汁の香りが鼻に抜け、喉を通った瞬間に身体の中まで涼しくなるような心地よさだった。隣であいかが頬をほころばせながら「ん〜っ、これ最高😋」と笑うと、つられてこちらまで笑みが浮かぶ。

箸が進む中、自然と話題は午前中に決まった“集大成”――ミュージカルへと移った。
「まりかちゃん、いい案出してくれてありがとう🙏🏻」
向かいの席から声をかけられ、私は慌てて首を振る。
「いえいえ、みんなで出し合ったからまとまったんだよ。……これから、力を合わせて頑張ろうね🔥」
そう答えると、テーブルのあちこちから「うん😆」「楽しみだね!」と声が返ってきて、空気がぱっと明るくなる。

あいかが水羊羹をスプーンですくいながら目を輝かせる。
「ミュージカルかぁ……楽しみだな〜!歌とかダンスとか、全部合わせたら絶対盛り上がるよね🎶」
その言葉にみんながうなずき、未来を思い描くように笑い合う。

食堂にはざる麺の涼やかな香りと、水羊羹のやさしい甘さ、そして何より仲間と一緒に作り上げる期待感が広がっていた✨

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