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平凡OL、不慮の事故で異世界チート村長へ成り上がり

第42章 守るべき子どもたち

「まずは体をきれいにしような🧼」
少し驚いたように互いを見た二人だったが、しおんの落ち着いた声に安心したのか、こくりと頷いた。
しおんは泥で汚れた服をそっと脱がせていった。

湯気が立ち上るシャワールームに入ると、子どもたちは少し緊張したように肩をすくめる。

一人は――体は人間と同じだが、白い垂れ耳とふわふわの白い尻尾を持ち、肌は雪のように白い。
澄んだ黒い瞳が、不安と安心の狭間で揺れていた。

もう一人は、黒いピンと立った耳と黒い尻尾を揺らし、健康的に少し焼けた肌をしていた。
青い瞳は、強がるように見開かれているが、その奥に幼い不安が隠れているのが分かる。

「冷たくないか?」しおんが手を伸ばして湯をかけると、白耳の子は小さく肩をすくめて「……あったかい☺️」と囁いた。
黒耳の子は少し照れくさそうに「へへっ……気持ちいい😆」と笑う。

しおんが湯をかけてやると、白耳の子の白い肌に、小さな擦り傷や青あざが浮かび上がった。
黒耳の子の腕や足にも、縄で縛られた痕や、必死に逃げる中でできた切り傷が残っている。

「……痛くないか?」と尋ねると、二人は首を横に振り、かすかに微笑んだ。
「大丈夫……あったかいから……」
「もう、逃げなくていいんだよね……?」

細い声が揺れて、胸に染み入る。

しおんは優しく髪を撫で、泥を拭い落としながら思った。
(こんな小さな体で……どれだけ怖い思いをしてきたんだろう)

まだ幼い体――細い腕も、丸みを帯びた小さな手足も、必死に生き延びてきたことを物語っていた。
しおんは一人一人を優しく洗い流しながら、心の中で静かに誓った。
(……もう二度と、こいつらに辛い思いはさせない)

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