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黒耳の少女は焼きとうもろこしを手に取り、かぷりとかじる――けれど熱さに思わずふうふうしながら、ちびちびと食べ進めていった。その健気な仕草に場がふっと和やかに包まれた。

一方、白耳の少女はスイカを口に入れると、甘い汁が口の端からつーっと垂れてしまい、慌てて手の甲で拭った。頬を赤くしながら、それでも「……おいしい……」と小さく呟く。その姿はあまりにも子どもらしく、見守るみんなの胸を温かくした。

食べ進める様子を眺めながら、しおんは静かに口を開いた。
「……お前たちにも名前を付けてやらないとな😁」

2人は驚いたように目を見開いた。

しおんは黒い耳と尻尾の少女の頭に手を置き、穏やかに告げた。
「お前は――紅葉（もみじ）。
秋の深まりに色づく木々のように、強く、美しく育ってほしいからだ🍁」

少女は小さく息を呑み、潤んだ青い瞳で「……紅葉……」と繰り返した。
黒いピンと立った耳がぴくぴくと動き、黒い尻尾が恥ずかしそうに揺れている。

次に、白い耳と尻尾の少女へと視線を移す。
「そしてお前は――優子（ゆうこ）。
“優しい子”であってほしい。そして白の清らかさを胸に抱きながら生きてほしい……そんな願いを込めた」

少女は頬を赤く染めながらも、はにかむように微笑んだ。
「……優子……嬉しい……」
そう言いながら、自分の白い垂れ耳をそっと撫で、ふわふわの尻尾を抱き寄せて照れたように揺らした。

その瞬間、凛と千夏と花香がぱっと笑顔を咲かせた。
「素敵なお名前です👏🏻」
「紅葉ちゃん、優子ちゃん、よろしくね！」
「これから一緒に過ごせるのが楽しみだな〜☺️」

2人の小さな獣人は、胸いっぱいに喜びを抱えながら、声を揃えて言った。
「……ありがとうございます、ご主人様😊」

しおんは頷き、温かな眼差しで彼女たちを見守った。
こうして――紅葉と優子。新たな名を授かった2人は、この家の一員として新たな一歩を踏み出したのだった。